2021/11/4 四つの柱

目上の方と対等に対話するって?

アサーティブトレーニングの講座を受けてみて、私が一番難しいと思ったのが「対等に向き合う」というキーワードでした。

 

「いや、ふつうにムリでしょ」

 

これが最初の感想。

「立場に上下はあっても、人としての価値は同じ」だから「対等に向き合うことが大事」、という説明をきいてもピンとこないまま、なんだか難しいなあというのが当初の感想でした。

 

立場が違いすぎる会社の上司や、親よりも年上の先輩とかパート社員さんや、私より経験がずっと長い他部署の方など、周りを見ると自分より上の人ばかりのなかで働く私としては、「目上の人と対等に話す」というのが、どんな風に話すことなのか、どうしても具体的にイメージできないでいました。

 

講座の中で正直にそのことを話してみたら、

 

「敬語をうまく使うことで、目上の方と対等に話ができる一歩になると思いますよ」

 

というコメントをトレーナーの方からいただきました。

 

これはちょっと目からウロコで、たしかに私は敬語の使い方に自信がないから、目上の人にうまくものが言えない(なんと言っていいかわからない)というところがありました。

また矛盾するようですが、敬語を使うとどんどん自分がへりくだって「対等」からは遠ざかるような気もしていたので、意外でした。

 

たとえば先輩からの無茶な仕事を断りたいときに、

 

「いや悪いけどそれふつうにムリなんだけど忙しいしどうすりゃいいのよ」

 

という心の中の正直な声(笑)を、何がムリなのか、どういう理由なのか、どんな条件であればOKなのか、などを具体的に簡潔な言葉に的をしぼっていって、そのうえで敬語モードに変換し、

 

「申し訳ありません。現在~~のため、今すぐにお引き受けするのはむずかしい状況です。15時以降でしたら可能ですが、どういたしましょうか」

 

という感じで、自分が伝えたい内容を、相手に敬意を払って誠実に、率直に言葉にすることは案外できるもんだな、と思いました。

これは、訓練したらきっとできるようになる!という気持ちになりました。

 

目上の方に対等に向き合ための一つの方法として、相手を尊重して「敬語を上手に使う」こと、そして自分に誠実になって「率直に、具体的に伝える」ということが、私にとってはとても役に立つポイントだなと思いました。