2009/8/28 中野満知子

青じその葉

こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の中野満知子(まちこちゃん)です。
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ベランダで栽培している青じその葉が、今年はたくさん採れている。

 先日、都会から田畑のある山や川に囲まれた地方に、終の棲家を構えた方のお宅にお邪魔する機会に恵まれた。広島原爆を体験してらっしゃるお母様との二人暮らし、お話をいろいろうかがって、楽しいひと時を過ごさせていただいた。

 軒下に積まれた、土から掘り出したばかりの大量の玉ねぎの歓迎を受け、大きく育ったキュウリに、なるほどウリ科だ、と感心し、甘いトマトに舌鼓を打った。お豆の煮物や梅漬けも何とも言えないおいしさだった。

 それに刺激され、日ごろめったに台所に立たない私ではあるが、自分で何か作りたくなった。まずは、ベランダの青じその葉を大量に摘んでくるところから、一枚一枚丁寧に洗い、糠みそのキュウリ・キャベツ・ミョウガの古漬けと細かく刻んで混ぜる。
 
 ごぼうはささがき、ナスは乱切りにして、水につけあく抜きをする。いちょう切りの大根を煮こぼし、こんにゃくを湯通ししながら、野菜の切り方を口ずさむ。千切り・短冊・みじん切り・櫛に小口、そうそうかつらむきって言うのもあったよなあ...なんて。本当は鰹節を削りたいところだが、そこまでは手が回らず、インスタントの粉粒で間に合わせ、煮込んで味付けは味噌仕立てにした。

 久しぶりにご飯も炊いた。しゃかしゃかお米を研ぐにも鼻歌が出る。

 近所のスーパーで見つけた瓶詰め各種、めかぶ昆布のうにあえ、青唐辛子味噌、なんかをテーブルに並べる。モズクの酢の物に、キュウリの塩もみを水洗いし搾ってあえる。

 一人の食卓がなんと豊かになったことか!

 あ?、と実家の母を思い出す。わずかながら野菜も育てているが、このごろは大好きだった花畑の手入れもできずに荒れているという。体が言うことを利かないと...。何年後かにはその小さな庭を引き継いで、母と食卓を囲んでいる風景が頭をよぎった。
記憶がはっきりしているうちに、どんな時代をどんなふうに生きてきたのか、しっかり聞いておきたいと、白いご飯を噛みしめた。