2013/2/19 竹崎かずみ

コミュニケーションの半分の責任

こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の竹崎かずみです。

先日、とある企業のアサーティブ研修を担当させていただきました。
当日参加されたのは、多数の部下を持ち、責任ある立場で多忙な管理職の男性の方たちでした。
アサーティブジャパンの特徴的な研修プログラムのひとつとして、小グループの中で実際の場面を再現し、「伝え方の練習」を繰り返しする「ロールプレイ(役割劇)」があります。そのロールプレイでの感動的なできごとを、お伝えしたいと思います。

管理職の方から出るコミュニケーション上の問題の一つに、「部下に注意や質問をしても『はい、わかりました。すみません。』と答えるだけで意見を聞き出せない。何度聞いても回答がないので、問題も解決できず、つい最終的には怒鳴ってしまう」。というお話を良くお伺いします。
参加者のAさんも「本当に困っている」と、その事例にチャレンジされました。

一回目の練習では、Aさんは通常のように怒鳴ってしまう事はなかったものの、やはり部下役を演じてくれた部下Bさんの態度は「はい、すみません。」での終了となりました。その部下役のBさんからAさんへ、「なぜ?どうして?と、次々にAさんが話されるので、答える時間がなかった。質問した後に少し間をおいてもらえると話やすいと思う」と提案。

私が感動したのは、この提案を聞いてのAさんの発言でした。
「部下役のBさんが本物の部下そっくりで、私の部下をご存じなのではと思うほどでしたが、私の言い方が部下役を作り上げ、質問に答えて欲しいと思いながらも、私の態度が部下を黙らせていたのですね」。

そのAさんの気づきの結果、次の練習で大きな変化がおこりました。Aさんは「なぜ!どうして!」と矢継ぎ早に相手を責めるのではなく、ゆっくりと「理由が聞きたいんだ」と伝え、一呼吸おき部下の発言を待ったのです。
すると部下役のBさんもゆっくりと、「実はこの間、」と言って理由を話し始めました。

相手の行動を責めるのではなく、自分の言い方や態度の癖に気付き、自分の行動を変ることができたAさん。グループからは拍手の嵐がおこり終了しました。

本当に忙しい業務をこなし、なおかつ「部下のこころのケアや育成」のためにと頑張っている管理職の方の、前向きで、誠実な姿勢に感動しました。

これからも「皆さんの誠実さと思いやりを応援していきたい!」とこころから感じた一日でした。