2017/2/2 竹崎かずみ

一歩踏み出す勇気

アサーティブジャパン専属講師の竹崎かずみです。

私はストレートネック(※)のため、医師から「枕は使用せず、バスタオルを4枚重ねること」と指示を受けています。そのため出張の度、宿泊先でバスタオルの貸し出し依頼をしなくてはなりません。

快く貸してくれることが多いのですが、ホテルによっては「1枚につきレンタル料を支払う」などルールは様々で、毎回依頼するのがかなり負担になっています。しかし、今までに何度も「朝、寝違えて全く首が動かない!」という悲惨な状況を体験しているので、必ず依頼することにしています。

あるホテルでもいつものように依頼したところ、初めて「ルールなのでお貸しできません」という対応を受けました。1泊ならまだしも、その時は4泊の出張だったので、とても不安な気持ちのまま部屋に入り「ホテルを変更した方が良いかも?」と悩んでいました。

すると、フロントで対応してくれた方が、部屋までバスタオルを4枚持ってきてくれたのです。そして申し訳なさそうに「私もストレートネックなので辛さがよくわかります。先ほどは隣に支配人がいたのでお貸しできませんでした。お客様にはルールだからとお断りするのは心苦しかったので、どうぞ内緒でお使いください。今後はこのルールを変更できたらいいのですが」と言ってくれました。

立場上、その方のように「ルールですから」と言わざるを得ないときもあり、職場の方針を変えたいと思っていても、一人の力ではすぐに改善できないことも沢山あるでしょう。自分の意見を主張するには、伝える内容の整理、言い方、タイミングなどのスキル、そして勇気が必要です。

根本的なルールを変更するには時間がかかるかもしれませんが、勇気を出して私の部屋に来てくださったのだと思い、とてもあたたかい気持ちになりました。そして、私も小さな一歩を踏み出せる勇気のある人間でいたいと感じた出来事でした。

(※「本来あるべき首の骨(頸椎)の弯曲がなくなっている」状態を指す用語です。)