2023/10/27

心の鎧を脱いで正直になること

先日、昔の書類を整理をしていたら、古い消印のはがきが出てきました。

お名前を見て、思わず「ああ、懐かしい」と言葉が出ました。

私がアサーティブトレーナになって間もないころ、基礎講座を受講して下さった方からの手書きのお礼のお手紙です。

お手紙の中には、次のような言葉がありました。

 

「70歳をすぎたこの年齢になって、はじめてアサーティブを学べたこと、本当にうれしかったです。

同じ講座に参加された若い皆さんからニックネームでよんでもらえて、対等に接してもらったこと、忘れられません。

できればもっと若い時にアサーティブを知りたかったです。

でもこの年になったからこそ、乾いたスポンジにしみこむように吸収できたのかもしれません。

今の自分に正直に、思い切り楽しんで生きていきたいです」

 

もう20年ほど前のことになりますが、その方のニックネームも、お顔も、ロールプレイの課題も、よく覚えています。

(仮にHさんといたします。以下のお話は、お手紙をいただいた当時、Hさんに公開することへの了承をいただいているエピソードです)

 

Hさんは、息子さんのパートナーである義娘さんになかなか素直になれなくて、何かを言えばこじれてしまう関係をなんとかしたいと講座に参加されました。

 

義娘さんから毎年お誕生日に届く花束を

「こんなことに気を使わないで。次からは送らなくていいから」

とぶっきらぼうに言ってしまい、その後関係がぎくしゃくしてしまったことを後悔していました。

 

「今さらだけど、自分の正直な気もちを伝えたい」というHさんは、講座のなかのロールプレイで、伝える練習ををすることになり、義娘さんと同い年の女性の方がロールプレイの相手役をやってくれました。

 

本当は、もらった花束がとてもとてもうれしかったこと。

その気持ちを素直に言えなかったことを悔やんでいること。

冷たい言い方をしてしまったことを謝りたいこと。

虚勢をはって「いらない」って言った花束だけど、本当はやっぱりほしいな、と思っていること。

いつもやさしくしてくれる義娘さんに心から感謝していること。

 

Hさんはロールプレイのなかで、時につっかえながらも正直に、率直に、アサーティブな態度で伝えることができました。

伝えられた側の、Hさんの相手役(義娘さんの役)をやってくれた方が思わず泣き出してしまい、参加者みんながもらい泣きしてしまったエピソードが忘れられません。

 

Hさんの事例を通して、心の鎧を脱いで正直になることがどんなに怖いことで、でも尊いことなのかを教えていただいた気がします。

 

Hさん、お元気でしょうか?

また会いたくなりました。

たくさんのことを教えていただき、ありがとうございました。

(アサーティブジャパン専属講師 牛島のり子)