#23
つたわるノート

その励ましは逆効果書き手:アサーティブジャパン「メールマガジン」より

先日ある方からこんな相談を受けました。

「落ち込みがちな相手をなんとか元気づけたいのだけど何を言っても効果なし。いいかげん疲れてきました...」

そういうこと、ありますよね。

たとえば
・失敗してやる気を失っている同僚に「もっとがんばれよ」と言ったみたり
・落ち込みがちな後輩に「ポジティブにいこうよ!」とはげましてみたり
・暗い表情の夫に「元気出して」と伝えてみたり...

相手の気持ちを「なんとかしてあげたい」というその姿勢、痛いほどよくわかります。
しかし、そのはげましを「自分の都合で」くり返してしまうと、かえって逆効果になってしまいます。


がんばれない人への「がんばって」
落ち込んでいる人への「ポジティブに」
元気がない人への「元気出して」

これらは(自分にそのつもりはなくとも)、「あなたは感情を変えるべき」というメッセージにきこえてしまいます。

「感情を変えてほしい」という要求は、人格否定と受け取られがちで、これをくり返していると相手は徐々に心を閉ざしてしまいます。

もしそんな悪循環に陥っていることに気づいたら、自分のアプローチの仕方を変えてみましょう。

長い目で見て相手との信頼関係を築いていきたいのであれば、相手の感情にはNGサインではなく、OKサインを出すことをお勧めします。

「そうか。そう簡単にはがんばれないよね」
「うん。そりゃ落ち込むよね」

「あなたの気持ちはOKだよ」と充分に認めたその上で、相手との間に解決すべき課題があれば、自分や相手に変えられそうなちいさな「具体的な行動」に的をしぼって話をしてみませんか?

ただし、焦りは禁物。
人も関係も、変わっていくにはある程度の時間がかかるのですから。

アサーティブとは自分の感情をありのままに認めてOKを出すことがスタートライン。
自分だけではなく、相手の感情も否定しないで、「そう感じているんですね」とOKを出せる心の余裕を持つことが大切です。

自分も相手も共にOKになるような向き合い方をぜひ始めてみて下さいね。