2011/7/26 谷澤久美子

レストランが舞台の映画が好き!「ソウル・キッチン」

みなさま、ご無沙汰してしまいました。アサーティブジャパン認定講師、映画好きの谷澤久美子(くみ)です。

アニメとホラー以外の映画だったら何でも見る私ですが、レストランを舞台にした映画は、ほんと、好き
マンハッタンのイタリアンレストランを舞台にした「ディナー・ラッシュ」
「マーサの幸せレシピ」もよかったし、リメイクした「幸せのレシピ」も両方好き。
「かもめ食堂」を見た後は、コーヒーをいれる時は「コピ・ルアック」とおまじないを唱えながらと、とても影響を受けました。
その中でも一番好きだったのは「厨房であいましょう」というドイツ映画。
他者とのコミュニケーションが苦手なシェフが主人公。自分の考えや感情を言葉で表現することが難しかった彼は、料理を媒体にします。大好きな女性にふるまうエロティックな料理、その娘にプレゼントしたお菓子。どれも食べてみたかったなあ。

110726_kumi_soul_kitchen.jpgそして今回見たのは「ソウル・キッチン」

ドイツのハンブルグにある、ギリシャからの移民ジノスが営んでいる大衆食堂の物語。倉庫だった建物を買い取り、配管から壁のペンキ塗り、厨房設備設置など全部手づくりで、インテリアは粗大ゴミの中から選んできたもので整えました。提供する料理は魚のフライやフレンチフライは冷凍食品をフライやーでザザっと。そしてミートボールなど庶民的なもの。
そのレストランを舞台に、ジノスに次々と襲いかかる災難に、彼が振り回される様子が滑稽に描かれています。

彼もまたコミュニケーションが苦手。大好きな恋人が上海に転勤になりますが、さみしさを上手に伝えられず、攻撃的になってしまいます。愛していると表現できるのはセックスの時。その家族との食事会では、場にそぐわないファッションとふてぶてしい態度しかとれません。また店の従業員と親交を深めるのにも、お酒や音楽の力を借ります。

それでも、トラブルで投資家に乗っ取られた「ソウル・キッチン」を買い戻すために動いている時は、今は元恋人になってしまった女性にきちんと借金を申し込みにいったし、窮地に陥った時に一緒にいてくれた女性に愛を告白する時は、自分のできる精一杯な料理でもてなすのです。

私はこの映画を見ながら「本当に自分の大切なモノや人やコトを守りたい時に、それを守るために使うもののひとつがコミュニケーション力で、そのイザって時に使えることが大事だ」という考えと同時に、「小さな出来事にアサーティブに対処していければ、大きな問題を避けることも可能だから、日常のささやかな一つ一つのふるまいを丁寧にしていこう」と思ったのでした。

まあ、いってみればドタバタのコメディなんですが、私はこういう映画に出会った時に「映画好きでよかった」と思います。そして、不器用であぶなっかしくて、でも憎めない、愛すべき人々が集まる「ソウル・キッチン」に行ってみたいと思いました。