2011/8/8 牛島のり子

天職との出会い方

こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の牛島のり子(牛やん)です。

先日、とある老人介護施設の職員さん対象の研修を担当させていただきました。
当日参加されたのは、介護職、看護職、事務職、調理関係の方など多岐にわたる職種の皆さんでしたが、どの職種の方も、利用者の皆さんに親身になって、より良いサービスを提供しようという情熱が感じられてとても感動しました。

特にその時の、ひとりの物静かな若い男性職員のことが強く印象に残っています

彼は現在その施設の調理場で働いているのですが、調理の仕事が楽しくてしょうがないと言います。
「どういうところが楽しいの?」ときくと、
「僕が一生懸命作った料理を、利用者さんがおいしかったよって喜んでくれること」さらに、「食べることって、利用者さんにとっては喜びなんですよね。歯が弱い方にどうやったらおいしく食べてもらえるだろう? 今元気がないあの方に喜んでもらうには、どんな工夫がいるかなあ?」と、一人ひとりの利用者さんに喜んでもらうために、旬の食材で工夫を重ねるのが何よりも楽しみとのこと。

「すごい!今の職業、天職なんですね」と言うと、「はい!」と笑顔で即答。

こんなに仕事にやりがいと楽しさを見出している若い男性に、久しぶりにお会いできて、私は心底うれしくなりました。

いろいろ話をきくと、彼は最初から調理の仕事をめざしたわけではなかったそうです。
最初は三交代制の部品工場で数年働き、体を壊して別の工場に転職してはまた腰を故障してしまい、仕方なく今の施設の調理場にアルバイトとして入ったところ、その仕事の面白さに開眼したのだとか。そして資格をとり、今も調理の世界を勉強中とか。

「たまたまた出会ったこの仕事に、僕は心底感謝してるんですよねー!」
と、仕事について語りだすと、止まらない彼。

調理が好き、工夫が好き、お年寄りが好き、人間が好き・・・そんな彼のたくさんの「好き」が重なって、かけがえのない天職につながったのでしょう。

こんなふうに自分を活かして人の役に立てるようなお仕事に、たくさんの若者(いえ若くない人も)出会えますように!と心から願った1日でした。