2009/4/30 率直に頼む

ずうずうしいかと思いましたが...

マンションの上の住人のAさんが引っ越しするとのことで、不用品を「ご自由にお持ちください」と、マンションの共有部分においてくれた。素敵なカバンや小物類、未使用のキッチン用品など、掘り出し物がざくざく。私はお皿を数枚と、立派な鉢植えを3鉢いただいた。

Aさんとはちょくちょく挨拶を交わす間柄。引っ越ししてしまうなんて、さみしいなぁ...。

引越しの当日、ひと段落したころを見計らって、いろいろお世話になったお礼を言いにあいさつに伺った。Aさんはお掃除の真っ最中。いろいろ雑談をかわし、ふと玄関を見てみると、ベランダに設置してあった木製のラティスフェンス(ベランダに設置する外からの目隠し)がたてかけてあった。

「これ、どうするんですか?」と聞いたところ、捨てるとのこと。心のなかでもったいないな?と思いながら、会話は終了。
「引っ越し後にやってほしいことがあったら遠慮せずに電話してくださいね」と会話をしめくくり、私は家に帰った。

家に帰ってから、むくむくと「ラティスフェンス、捨てるんだったら欲しいな...」という思いがわきあがってきた。

でも、もうお別れの挨拶しちゃったし、わざわざ「ください」って言いに行くのもなんかずうずうしくない? 

ぐるぐると考えていたら夕方の買い物の時間になったので家を出たら、Aさんとばったり会った。「よし、言うだけいってみよう!」とその場で決断。

「ちょっとずうずうしいかと思うのですが、もしよろしければラティスフェンス、いただけますか?」

こう切り出したとたん、Aさんの顔がパッと明るくなり「わぁー、助かります。捨てるの大変だと思って途方に暮れてたんです。嬉しいなー。ぜひ使ってください」と言ってくれた。

ああ、率直に切りだしてみてよかった。
「ずうずうしい人と思われるんじゃないか」と心配したけど、それを"言い出すときの気持ち"として言語化して伝えてみたら、思いのほかすっと伝えられた。
それに喜んでもらえたし、ラティスも無駄にならなくて済んだ。良かった、良かった。

「案ずるより産むがやすし」昔の人はうまいことを言ったもんだ。このことわざが心にしみた一日だった。

(by かにみそ)