2011/3/2 講座から

責めないで始める

アサーティブに話し合いを始める時、"責めモード"にならずに始めることはとても重要なことです。責めモードとは、
・あなたは間違っている
・あなたのせいで自分は困っている
・自分はあなたから被害を被っている
という心のスタンスで話を始めてしまうことです。

先週末の「アドバンス講座」では、特に力関係(上下関係)の存在する相手と向き合って、自分も相手も責めない話し合いを自分から始めるとはどういうことか、ということに取り組みました。自分のネガティブな感情を言語化する際に、私たちはいとも簡単に「相手が悪い、自分は相手によって被害を被っている」というスタンスになりがちだからです。

とはいえ、心の中で相手を責めてしまうことはよくあることです。「どうしてこれくらいわからないの?なんてひどい奴だ!自分はひどい目にあっている」と。そういう気持ちになると、今度は「相手を責めてしまう自分を責める」ことになってしまいます。相手を責め、相手を責める自分を責め。責めの悪循環の中でグルグルと回って出られなくなってしまいます。

相手を責めたくなるときも当然あるでしょう。そういう時は、一度心の中で「もう!なんでなのっ!」と思いっきり怒ってみましょう。一度自分の中でいったん怒りを受け止めてあげると、頭に上った血がおりてきて、本当に伝えたいことが見えてきます。

それから考えます。相手には相手の考えがあり、価値観があり、理由があり、気持ちがある。それは当然のこと。相手の行動の理由は何だろうか、そこと折り合いをつけながら現実に起きている問題を解決していくためには、一体どうしたらいいのだろうかと。

実際に伝える段階になったら、責める気持ちは「横に置いて」おきます。こちらが責めると、相手は瞬時のうちに反論しようと身構えるか、攻撃から身をかわすために黙るかになってしまい、問題解決の方向には進んでいきません。

話し合いの目的を思い出します。ここで話し合うのは、相手に仕返しすることでも相手の悪いところを証明することでも、相手を自分の思い通りに変えることでもありません。
自分が認識している「問題を解決」することですよね。

見つめているのは目の前にある「問題」。相手ではありません。相手とは横に並んで、そして問題に一緒に向き合う。そういうスタンスで話を始めることで、無用な責めの応酬から出ることができると思います。責めないで始める。試してみてください。