2010/7/13 堀田美保

現実性のある提案??!!

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の堀田美保(みほ)です。

先日、6年生になる娘からアドバイスを求められました。
国語の授業で『学校をよくするための提案をしよう』という単元があり、その原稿を書いてくることになったというのです。教科書には「ゴミゼロ大作戦」という提案が見本として載っていました。

「『よくする』って何がいいのか、思いつかない・・・」と娘。
「『自分がこうであったらいいのに!』と思うことを考えてみたら?」

その言葉にしばらく想いを巡らせた後に決めた提案は、
「放課後、みんなで楽しく運動しよう!」

私が小学生だったころは、放課後の校庭というのが一番想い出深い時空間だったのですが、今は事情が少し違います。授業が終わると、基本的に子どもたちは学校を出る、というところが多いようです。私が昔の話をするものだから、娘は「放課後の校庭」に憧れを抱くようになっていたのかもしれません。

さて、「提案」が決まったら、その理由を列挙するということで、「現状」と「期待できる結果」ということを整理する手順になっていました。(これって、「事実」「提案」「結果」というやつだなぁ・・・笑)

今は、
 ・お昼休みは掃除もあるし、給食の遅い子は遊ぶ時間がない
 ・運動不足で「ちょっと太っちょさん」が多い
 ・徳島県は糖尿病死亡率全国1位という記録を持っている
    
それが、
 ・みんなで一緒に遊べる
 ・運動をすると、ストレス発散になる
 ・運動をしてすっきりしたら、そのあと勉強もはかどる
 ・よく遊び、よく学べる
 ・運動をしたら、晩御飯が美味しい
 ・運動したら、肥満が減る
 ・将来、徳島県がワーストワンから抜け出せる

「お~~、いいやん! いいやん!」 
と、二人で盛り上がりました。娘は翌日張り切って学校に行きました。

ところが・・・ その夜、そろそろ寝る時間というころに、落ち込んでいるのがわかりました。
そのうちゆっくり話してくれました。

提案を発表すると、一瞬はみんな「いいね!」と反応してくれたのに、「意見を言う」ときになると、

    「宿題はいつするのですか」
    「先生も待ってもらうのですか」
    「何の遊びをするのか、誰が決めるのですか」
    「準備とか後片付けとか誰がするのですか」
    「みんな必ず出ないといけないのですか」
    「塾のある日はどうしたらいいですか」

などなど、質問攻めにあったとのこと。

先生も、  「でも、現実には無理だね」と席に戻ろうとする彼女に言ったそうです。
「あんな提案しなきゃよかった・・・」 と、また、悲しさが戻ってきました。

おそらく、彼女自身、実現が難しいことはわかっていただろうと思います。
でも、「無理」といって提案しないでいたら、いつまでたっても実現しませんよね。
「変えられないこと」と「実現が難しそうなこと」、似ているようで違うものではないでしょうか。


「夢はまずは口にせな、始まらんやん♪」「だめもとやん!」

彼女に伝えた言葉、
それは自分自身へのエールだったような気がします。