2013/10/16 竹崎かずみ

ウソをつかずに感情を表現すること

こんにちは。アサーティブジャパン専属講師の竹崎かずみです。

我が家は以前より、海外からの留学生を、短期では1週間、長期では1年間のホームステイ先として受け入れてきました。

昔も今も彼らは、たくさんの事を私に教えてくれます。
もう15年位前でしょうか(アサーティブに出会う前の事です)。
帰国間近の留学生のお土産を買いに歩き回り、夜遅く自宅に着いた時のことです。
何気なく留学生に「疲れた?」と聞いてみたら、「1日歩いたし、本当に疲れた~。」の一言。その発言に私はとても驚き、(えー、「疲れた」って言っちゃうの? あなたのお土産を買いに行ったのに!)と心の中でつぶやきました。

私が逆の立場だったら、自分のために時間を割いてくれた人の気持ちを考えすぎて、疲れていても「大丈夫!」と満面の笑みで答えていたと思います。
なのでそのとき留学生から「あたなは?」と同じ質問をされた時、くたくたに疲れていたにもかかわらず、「私は大丈夫。疲れてないよ。」といつものクセでそう返事をしてしまったのです。

小さい時から「疲れた」と言うと、「子どもは疲れないの!」と両親から注意を受けた体験も影響しているかもしれません。

留学生の率直な言葉の直後だったので、自分の発言に今までにない「後味の悪さ」を感じたことを覚えています。その後「アサーティブ」に出会い、学びたいと思った理由の1つには、彼らとのこんな日常的なやりとりが心に強く残っていたからです。

「あなたのせいで」と相手を責めるのではなく、「私が」こう感じている、と自分の責任で感情を表現することは、「自分も相手も大事にする自己表現」であることを学びました。
その後も自分自身が無理をしすぎることなく留学生たちのサポートを続けられたのは、アサーティブのおかげです。

先日も再び日本を訪れてくれた元留学生からの「今日は疲れてる?」の質問に、「仕事帰りだからすごく疲れてる。明日も仕事だから、今日は8時でバイバイね。」と率直に伝えて別れました。

自分に嘘をつくことは相手に対しても不誠実だし、自分に嘘をつかず誠実になることこそが、相手と長く良い関係を築くことなのだと実感しています。

言葉や文化の違いがあるからこそ、曖昧ではなく率直に、そして誠実に。
これからも彼らと関わっていきたいと思います。