2015/4/22 桜沢信江

「すみません」から「ありがとう」へ

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の桜沢信江です。

同居をしていたとても元気だった義母(87歳)が昨年9月、突然この世を去りました。
「ピンコロ(ピンピンコロリ)で逝きたい」と常々話していた義母。
彼女の願いは叶えられましたが、残された家族はあまりにも突然すぎて暫く現実を受け入れられず深い悲しみに浸りました。

義母との同居期間は4年と短い期間でしたが、その間私は彼女から沢山のことを学びました。
中でも「人として対等に向き合う」ことの大切さ。
人間関係を築く上で本当に大切なことだと教わった気がします。

同居を始めて以来、私が仕事で出かけている間、義母は家族全員分の洗濯や掃除を自ら率先してやってくれていました。
それが同居中の嫁としてはとても申し訳なく思えて、「いつもすみません、すみません」と
「すみません」ばかりを繰り返していたある日、義母が私に言いました。

「そんなにすみませんって謝られると、何か悪い事をしてる気がするな。適度な運動になると思って好きでやってること、謝らなくていいよ」と。

責めるのではなく穏やかな口調で。
私の「すみません」の連発が義母を心苦しく思わせていたことに、その時初めて気づきました。

誠実に率直に、そして対等な姿勢で気持ちを言葉にしてくれた義母。

それ以降、私は「すみません」ではなく「いつもありがとうございます」と伝えることに決めました。

そうすると義母も今まで以上に張り切って色々取り組んでくれている感じがしたし、私も嫁だからと必要以上に自分を下に置くことなく徐々に同じ女性どうし対等な姿勢で接することができるようになった気がします。その結果、日々起こる様々な問題にも腹を割って話し合える関係性もできたように感じていました。

「すみません」を「ありがとうございます」に変えることで、対等な関係性への第一歩を踏み出していくことができる、これは義母から学んだ一番のアサーティブだと感謝しています。

義母が天国からいつも見守ってくれていることを感じながら、ありがとうございますの言葉を胸に、これからもアサーティブな日々を心がけていこうと思います。