2015/11/17 桜沢信江

医師と交わしたさわやかなコミュニケーション

こんにちは。アサーティブジャパン認定講師の桜沢信江です。

先日、右目が飛蚊症(黒い線状の物がちらちら見える)かもしれないと軽い気持ちで眼科を受診しました。
すると検査で網膜に穴が開いている状態の網膜裂孔だと判明。すぐにレーザー手術で周囲を固める必要があるとのこと。

「え? これからすぐ手術ですか?」
「そうです、網膜剥離にならないために今すぐやります。1か月は激しい運動は控えてね」
「え! 実は10日後に夫と一緒にマラソン大会で走る予定があるんです。この日のために練習を積んできたので、どうしても参加したいんです。手術はマラソン後にできませんか」
と私は必死にお願いしました。

すると医師からこのような返答が。

「夫婦2人で走るの! それは楽しみだよね。何とか出場させてあげたい。でもね、手術の延期はできないよ、今日行うことは決定、これは譲れない。明日にでも網膜剥離になる可能性はあってそうなったら入院して手術でとても危険です、理解してもらえますか?」と。
 
「確かにそうですね、わかりました、手術は今日お願いします。ただ10日後の大会出場は絶対に無理なことでしょうか?」と聞きました。すると、

「1か月運動がだめという規定があるわけではない。だから1週間後に経過が良好かどうか確かめて大丈夫だったら私の判断でOKしましょう。但しこの1週間は絶対走っちゃだめ、大会に出られたとしても全力はだめ、途中で異変を感じたら棄権すること、約束できますか?」と。
「はい、約束します!」ということで即手術の運びとなりました。

私はこの時の医師との後味の良いコミュニケーションをとても嬉しく感じました。

医師は私の気持ちを尊重しきちんと受け止めてくれた上で、医師として今とるべき行動を明確に示して下さった。私は説得させられた感は全くなく、今回大会を諦めることになっても仕方ないと覚悟でき、納得した上で手術に臨むことができました。

患者は医師からこうして下さいと強く言われた場合、自分の気持ちを正直に言えず何も聞けず気持ちがざわついたまま過ごす時があると思います。もちろん役割上は専門知識をもって治療をする医師とそれに従う患者という上下関係はあります。

ただ、医師や患者である前に一人の人としてお互いを尊重し合った態度で誠実に率直に対話ができたなら、患者としては無理やり説得されたと沈むことなく、そういうことならと納得できる結果が得られるのだということを実感できた出来事でした。

お陰様で経過良好につき夫と二人ゆるゆると楽しみながら走れたマラソン大会。とても嬉しかったです。
素晴らしい医師との出会いに感謝します。